株式会社RYODENは、長野県上田市に対する企業版ふるさと納税制度を活用した寄附により、日本政府から褒状を授与されました。なお、褒状の伝達式は、2025年7月7日(月)に長野県上田市役所にて執り行われました。

左から 信州大学繊維学部 村上学部長、株式会社RYODEN 富澤取締役社長、長野県上田市 土屋市長

本寄附は、当社と国立大学法人信州大学繊維学部(以下、「信州大学」)との共同研究で開発した、環境負荷の低減につながるレーザー加工技術を活用し、上田市と信州大学が連携して進める地域産業振興「人材育成等の拠点整備」を支援するものです。
2024年12月、上田市の繊維学部キャンパス内に開所した「ふらっと試作工房」は、寄附対象となった拠点のひとつです。同工房は、地域企業・スタートアップ・学生・研究者が自由に活用できる「開かれたものづくりの場」として整備されており、金属・繊維・バイオ素材といった多様な材料に対応したレーザー加工機を含めた先端設備が導入されています。
親液/撥液/滑落性、防汚性、無反射、光透過性、加飾(発色)、低摩擦/流動抵抗、低騒音など、新たな機能を発現する表面微細構造は、機能的テクスチャと呼ばれています。自然界に見られるこうした構造を模倣し、社会課題の解決を目指すのが生物模倣(バイオミメティクス)です。
「ふらっと試作工房」では、短パルスレーザーによる多様な機能的テクスチャの加工が可能なだけでなく、レーザー加工から測定・検査までの一連の作業工程が、AIで自動化されています。利用者は、基本加工プログラムの条件設定をするだけで、試作品を容易に作成することができます。従来は試行錯誤を重ねていた機能的テクスチャの加工が、誰もが扱える設計技術へと進化しており、同工房を拠点とした地域発の新たなものづくりの創出が期待されています。
▶ RYODENと信州大学の連携について
当社は、2018年から信州大学繊維学部と産学連携を通じ、レーザー加工技術を中心とした新たな産業技術の研究開発に取り組んできました。特に撥水性などの機能を素材表面に付与できる小型微細レーザー加工機を共同開発し、生物模倣専用加工機として世界初の成果を挙げるなど、持続可能なものづくりへの貢献を目指します。
また、これらの研究成果を広く社会に展開するために、「バイオミメティクス加工技術研究会」を立ち上げて、企業・大学・研究機関との連携を深めています。本研究会は2025年6月で12回目を迎え、毎回100名以上の企業関係者が参加するなど、産業界から高い関心を集めています。最新の加工技術や応用事例の共有、異業種交流を通じた新規ビジネス創出、加工サンプルの提供や実証実験の実施など、実践的な活動を継続することで、産学連携の枠を超えたオープンイノベーションの場として、バイオミメティクス技術の社会実装を加速しています。
▶ 今後の展望について
本寄附は、「RYODENグループ社会貢献活動方針」に基づき社内公募を経て決定し、地域課題の解決と地方創生の推進を支援しています。今後も当社は、サステナビリティを重要な経営課題と位置づけ、社会や地域の課題に対して積極的に取り組み、安心・安全で持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
▶ 株式会社RYODENについて
RYODENは、「人とテクノロジーをつなぐ力で"ワクワク"をカタチにする」をパーパスとし、「未来を共創するエクセレントカンパニー」の実現に向けて、企業活動を通じて、全てのステークホルダーと共に価値を創出し、世界に誇れる企業へ進化し続けます。2000社を超えるパートナー企業様とのネットワークから常に新しい技術を融合し、未来へのソリューションを創造します。また、基幹事業であるFAシステム、冷熱ビルシステム、エレクトロニクスの技術を基に、スマートアグリや医療IT化、脱炭素などの社会課題と向き合い、新たな発想でその先の未来をイノベートします。
▶ 長野県上田市への企業版ふるさと納税制度を活用した寄附についてはこちら
▶ バイオミメティクス加工技術についてはこちら
▶ バイオミメティクス加工技術研究会 インタラクティブシンポジウムについてはこちら
※第12回実施済み
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